彗星



長い尾を引く彗星は突然に現れて、いつのまにか消えていってしまいます。日本では「稲星」と呼んで豊作の印とした時代もあったようですが、 諸外国では戦争や疫病の印と結び付けられて考えられることもありました。 彗星は太陽系生成時に残された塵、すなわち地球やその他の惑星になりきれなかった物質で形成されており、 我々の地球や惑星の生い立ちを考える上でも興味ある対象です。彗星は海王星の外側にあるカイパーベルトと呼ばれるドーナツ状に分布する こうした塵の残骸や、さらに太陽系の外側に存在するオールト雲を母体としています。 こうした塵がいろいろな引力の影響を受けて、太陽へ向かう長楕円の軌道を描いて周回し始めるのです。 そのため、我々が一生に一度しか出会えないような非常に長い周期を持っているものがほとんどです。 また、美しい尾を引くのは、太陽に近づくにしたがって、気体成分などが放出されるのと、 太陽風の影響を受けてプラズマ化した物質が太陽と反対の方向に放出されるからです。


百武彗星


千葉の自宅から撮った写真です(1996.3).
百武彗星の写真に関しては世界中からすばらしい作品が数限りなく発表されていますので、 そちらを参考にして下さい。 この写真は比較的望遠鏡で覗いた時の感じに近く、sanward fan と tailが確認できます。 百武彗星は地球にかなり近づいたため、これまでの彗星観測のなかでも非常に長い(40゜〜100゜という報告もあり)尾が観測されています。 また、彗星のcomaの組成の分析も各地で行われ、NASAのマナウケアにあるITFでは、 H20, HDO(重水), CO, CH40(メタン), CH3OH(メチルアルコール), C2H6 (エタン), HCN, NH3(アンモニア)が、ヨーロッパのIUE衛星による観測ではC 2, C02+(イオン化された二酸化炭素),CS(硫化炭素), CO, C, O, S等の存在が確認されています。


ヘールボップ彗星 [COMET C/1995.O1(HALE-BOPP)]

ヘールボップ彗星も5月になって見えなくなりました。肉眼でもよく見える彗星だったので、大変残念です。 今にして思えばもう少し暗い空をバックに写真を撮りたかったなどと思っています。



自宅から撮ったヘールボップ彗星です。(97/3/9、午前4時頃)




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